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DNAメチル化継承の分子機構
西山敦哉
東京大学医科学研究所癌・細胞増殖部門癌防御シグナル分野

DNAメチル化は、主にCpG配列中のシトシン5位を標的とする化学修飾で、クロマチン構造制御を介して、遺伝子発現、発生、細胞分化など様々な生命現象に重要な役割を果たす。ゲノム上のDNAメチル化パターンは、DNA複製時に、ゲノムDNA情報とともにDNAメチル化酵素1 (DNMT1)を中心とするDNAメチル化維持機構によって娘DNAに継承される。DNMT1のメチル化部位局在には、DNA複製時に一過的に生じる片鎖メチル化DNAに特異的に結合するUHRF1が不可欠な役割を果たす。我々は、染色体複製を試験管内で再現することが可能であるツメガエル卵抽出液由来の無細胞系を用いて、DNAメチル化維持の分子機構の解明に取り組み、UHRF1が片鎖メチル化DNAに結合すると、E3ユビキチンリガーゼとしてPAF15やヒストンH3をユビキチン化すること、またDNMT1とこれらのユビキチン化タンパク質の特異的相互作用がDNMT1のメチル化部位への局在と活性化を促進することを報告してきた。PCNA結合タンパク質であるPAF15はDNA複製と協調的なDNA維持メチル化において重要であり、S期に一過的にクロマチンに結合するが、S期終了に伴うクロマチンからの解離がどのように制御されているかは明らかでなかった。本講演では、最近我々が明らかにしたUSP7によるPAF15脱ユビキチン化を介したクロマチン解離の分子機構を紹介するとともに、DNA複製と非協調的なDNA維持メチル化機構についても議論したい。


Molecular mechanisms of DNA methylation inheritance