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運命と偶然のはざまを科学する:私のエピジェネティクス研究
佐々木裕之
九州大・生医研・高等研究院
エピジェネティクスは個体発生をはじめとする様々な生命現象を制御するゲノムの高度活用戦略である。エピジェネティクスという語は1950年代からあったにもかかわらず、私が研究を始めた1980年代にはその意味を理解する人はほとんどいなかった。遺伝子導入マウスの研究から偶然にゲノムインプリンティング現象に出会った私は、遺伝子の働きを後天的な修飾により変化させるエピジェネティクスの虜になり、その仕組みの研究を続けてきた。幸いにも技術の発展と偶然の出会いとが重なり、幾ばくかの発見を行うことができた。本講義では、哺乳類の生殖細胞形成におけるエピジェネティックな制御と生物学的な意味についてお話しする。
keywords: エピジェネティクス、生殖細胞、マウス
Studying the interface between fate and coincidence in biology
Hiroyuki Sasaki
Med. Inst. Bioregulation, Inst. Adv. Study, Kyushu Univ.